朝霧刀子の東亰ザナドゥ日誌 第24話「Combustion/前編」
- UGRproject

- 2024年2月29日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年6月12日



あ

そんな…そんなこと。…本当なのね。あ
カズマさんが…1年半前の出来事の時に亡くなってしまった、って。

あ

なるほど。…シオさんとカズマさんは共に「消えた」のだと今まであ
思っていましたが……カズマさんが「死んだ」のなら、
構成員が残っているにもかかわらずBLAZEの活動が止まった理由もわかります。

あ

待ってください。これ、まさか…!あ
蘭さん、あなたが前言った言葉です! 初めてダンスクラブに来た時、
従業員さんの話を聞いていた時に言った言葉、覚えてますか!?


あ

……あっ!! …従業員さんはあの時、あ
「カズマの名前は、BLAZE内ではタブーらしいから」と言ってましたが…
のぞみちゃんの言う通り、「消えた」んじゃなくて「死んだ」のなら…!

あ

…? それよりみんな、あ
あの錠剤、「異界ドラッグ」が当のBLAZEからどう呼ばれてるかの情報が出たわよ。
HEATだって。コウ君が言うには「熱」の意味があるらしいわ。

あ

「熱」…ですか。それに…カズマさんの死と、シオさんの失踪。あ
そして、アキヒロさんがシオさんに今まで取ってきた態度。あれは、
不完全燃焼で、だけど行き場のある感情でした。だからきっと、カズマさんは…。

あ

…そうね、のぞみちゃん。でも、今はとにかく、あ
「異界ドラッグ」の原料調達の場になってる異界を見つけるのが優先よ。
探索が遅れて警察が動き出そうものなら、コウ君達の行動が制限されちゃうしね。

あ

おっ、そのコウさんのサイフォンに連絡が来ました。あ
これは…市内全域の巡回に行っていたソラさんからですよっ。

あ

ふむふむ…これは。シオさんとアキヒロさんが一緒に市内の高架下…あ
プロローグで異界が発生したあの場所に向かっていった、ですか。
トーコさん、好機ですよ。コウさんが間に合えば目的に近づけるかもしれません。

あ

わかってるわ、蘭ちゃん。それじゃ□ボタンからマップ移動画面に行って、あ
新しく出てきた高架下を選択して、っと。
頼むわ、コウ君、アスカちゃん。間に合ってよ、シオ君…!











あ

トーコさん、コウさんが高架下に着きました!あ

あ

よし、これなら…っ!? なっ、アキヒロの赤いもやが消えて…くっ、遅かったか。あ
それに…このままじゃマズいわね。
アキヒロの奴、「ケイオス」との戦いの日を今日に繰り上げるって言ってるわ。

あ

その戦いを許せば、誰の目から見ても事態の収拾がつかなくなってしまいますね。あ
…気絶したとはいえ、シオさんがさらわれなかったのは現状の幸いです。
この状況下なら、コウさん達がシオさんを匿えればまだ立て直せますから。


あ

…ですね。そのコウさん達もうまく気絶したシオさんを運んで、あ
ソウスケさんの道場に撤退してくれましたからひとまずは安心です。
現状、次に気になるのはシオさんのケガの状態ですが…

あ

ピンピンしてますね。骨折すらしてません。自己再生能力とか無いはずなのに。あ
…この前、「超降下攻撃」とか言って部室の屋上から飛び降りた挙句、
落ちて骨折した時のトーコさんくらいびくともしてないですよ、シオさん。

あ

えっ、マジで? シオ君、高架下でアキヒロの奴相手に腕で喉元に1発、あ
足で腹部に1発貰ってたわよね。頑丈すぎでしょ…。というか蘭ちゃん、
それ誰も来てない時にやった奴のはずなんだけど、何で知ってるのよ!!

あ

すみません。全員来てから姿を現すつもりだったんですけど、あ
あの日はのぞみちゃんも美崎ちゃんも少し遅れてしまったもので、つい。
…ああ、それはともかく、今はシオさんの話に戻らなくては。

あ

ですね。…さて、できればシオさんはここでコウさんの探索チームにあ
引き入れたいところです。1人で勝てない相手に単独行動するのは危険ですからね。
しかし、シオさん…1人でアキヒロさんと決着をつけに行く気ですか。


あ

…ソウスケさんも言ってくれるじゃない。あ
己のみで全てを背負うのが驕りに過ぎない、たってね。
…ふん。やーね。そもそも1人でそんだけ背負える人間、いてたまるかってのよ。












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